0120-70-4515
電話受付:平日 10:00〜17:00
(土・日・祝日休)
column
2023年05月10日
合同会社エムアイティエス代表 水谷哲也
書店へ行くと「銀河ヒッチハイク・ガイド」が平積みされ、帯には「イーロン・マスクの人生を変えた一冊」と書かれています。「世界一受けたい授業」や「天才起業家の人生を変えた本」で「銀河ヒッチハイク・ガイド」が紹介され、話題になっています。けっこう古い本でダグラス・アダムズが2005年に書いたハチャメチャSF小説です。
グーグルの検索窓に「人生、宇宙、すべての答え」と入力して検索してみてください。「42」と表示されます。これは、「銀河ヒッチハイク・ガイド」に登場する質問と答えをオマージュしたものです。
「銀河ヒッチハイク・ガイド」は地球滅亡の少し前から始まります。ある日突然、宇宙人がやってきて、今から2分後に地球を爆破すると通告しました。やぶからぼうの話にパニックとなった地球人は当然、宇宙人に理由を尋ねます。
宇宙人からは「銀河ハイウェイの建設予定地に地球が当たり、破壊されることになった。ずいぶん前から立ち退きするように勧告したはずだ。」という回答が返ってきます。そんな勧告は知らないと抗議する地球人に「地球の破壊はアルファ・ケンタウリにある出張所に50年前から公示されていた。」と、いかにもお役所的な返事が返ってきました。なんとも乱暴な話ですが地球は破壊されてしまいます。この時、たまたま宇宙船にヒッチハイクして助かったのが地球人の主人公・アーサーです。ここから宇宙を舞台にしたハチャメチャSFになっていきます。
「銀河ヒッチハイク・ガイド」によると、かつて超知性をもった生命体が存在し、「人生、宇宙、すべての(究極の疑問の)答え」を計算させるために「ディープソート」というコンピュータを作ります。さすがに難解な計算だったため、ディープソートが750万年かけて出した答えが「42」でした。
「42」とは、どういうことだ!答えを聞いた、生命体は納得がいきません。 ディープソートは「究極の答え」に対応する「究極の問い」が分からないから「答え」の意味が分からないのだと答えます。そのためディープソートは「問い」を求めるために巨大コンピュータを設計することになりました。この巨大コンピュータというのが実は....。
ネタバレになるとダメなので後は、本でお楽しみください!「銀河ヒッチハイク・ガイド」は河出書房新社から出ています。
イーロン・マスクが「銀河ヒッチハイク・ガイド」を読んだのは14歳の時、常識にとらわれない柔軟さを学びます。また本当に難しいのは、何を問えばよいのかを見つけることだと気づきます。正しい答えを得るには正しい質問をしないといけない、つまり、適切な質問を考えることができれば、答えは簡単に得ることができます。
また我々が適切な質問ができるようになるためには、人間の意識の範囲と規模を広げることが大切です。そこでイーロン・マスクは目標をたて、啓蒙による人類全体の底上げに努力することにしました。ペイパルを立ち上げ、再利用・宇宙ロケットのスペースX、ウクライナへの提供で話題となった衛星インターネットシステム「スターリンク」、電気自動車のテスラ、太陽光エネルギーのソーラーシティーなど次々と革新的な取り組みを続けています。最近はツイッター買収で世間を騒がせています。
イーロン・マスクも立上げに関わったのがオープンAI。このオープンAIが開発したのが、今話題の対話型AIであるチャットGPTです。チャットGPTで「人生、宇宙、すべての答えは」と質問するとグーグルと同様に「42」と出てきます。ただ、その後に銀河ヒッチガイドの解説も出てきて、少し興ざめにはなります。
関連コラム
ITコラム冗談で作られた仮想通貨