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世界最初のドメイン

column

2022年11月15日

合同会社エムアイティエス代表 水谷哲也

インターネットを使う時にかかせないのがドメインです。インターネット内部ではコンピュータが理解できる数字のアドレス(IPアドレス)が使われますが、人間は暗号のような数字を覚えることができません。そこで人間が覚えやすいドメインを考えます。ドメインと数字のアドレスは1対1で対応しており変換しながら使います。このドメインが世界で最初に登録されたのが1985年です。

ドメインとホスト名

J-MOTTOのホームページを表示する時、検索エンジンに「J-MOTTO」と入力する場合がほとんどですが、直接URLを入力することもできます。このURLの「j-motto.co.jp」がドメインと呼ばれるものです。ちなみに「j-motto」の前の「www」はホスト名と呼ばれ、ドメイン取得者が勝手につけられます。慣習的に「www」を使うことが多いですが、なくてもかまいせんし、他のホスト名でもかまいません。例えば通産省のドメインは「meti.go.jp」でホームページには「www」を使っていますが、傘下の中小企業庁は「www.chusho.meti.go.jp」、資源エネルギー庁は「www.enecho.meti.go.jp」と通産省で勝手にホスト名をつけています。つまりドメインが1つあれば複数のホームページを持つことができます。

このドメインの仕組みができたのが1984年です。インターネットでは数字のアドレスが使われるので、人間が入力したドメインはDNS(ドメインネームシステム)によって数字のアドレスに変換されます。DNSはインターネットを使うための、いわば辞書のようなものです。

ドメインの構成

このDNSができたのが1984年です。それ以前は今では信じられませんが対応表みたいなファイルで行っていました。インターネットといっても、まだホームページなどはなく、メールやニュースグループ(掲示板のようなもの)などが中心でした。ちなみに世界最初のホームページができたのは1991年です。一般的にインターネットが使われていなかったので、対応表で何とかなりましたが、利用者が増えると、さすがに限界となりDNSの仕組みができます。

ドメインの構成を考える時にインターネットが生まれたアメリカでは「.com」「.edu」「.gov」「.mil」「.net」「.org」「.arpa」をトップレベルドメイン(ドメインの一番右側)とします。

日本のインターネットの祖はJUNETと呼ばれるネットワークで、最初は「.junet」がトップレベルドメインでした。インターネットが世界に拡がりだしたため、国コードを導入しようということになり「.jp」が採用されます。1989年に「.JUNET」から「.jp」に移行し、今の日本のドメインになります。またセカンドレベルとして「ac」「ad」「co」「go」「or」が導入されます。これで「j-motto.co.jp」という現在のドメイン名になります。

その後、ウィンドウズ95発売によってパソコンブーム、インターネットブームに火がついたことにより、利用者が急増します。そこでプロバイダーなどネットワークサービス用として「ne」が、法人格を持たない組織・グループ向けに「gr」、小中高校などの初等中等教育機関向けに「ed」が新設されます。

世界で最初に登録されたドメイン

1985年3月15日に「symbolics.com」という世界最初のドメインが登録されました。Symbolics社は、バージニア州バークにあった会社でオブジェクト指向に強いIT会社でした。今でもドメインは健在でウェブサイトでは、世界で初めて登録されたドメインであるとアピールしています。

1985年といえば通信の自由化がはじまりは日本電信電話公社がなくなってNTTが誕生した年です。通信事業が民間に開放されたことで第二電電(KDDI)などが生まれます。また阪神タイガースが21年ぶりに優勝した年でもあります。歓喜したファンが道頓堀に飛び込むシーンが全国に放映されました。一部ファンがカーネル・サンダース像を道頓堀に投げ入れて行方不明にもなりました。阪神タイガースはこの年以降、優勝から遠ざかったため、「カーネル・サンダースの呪い」と呼ばれるようになります。こんな年にドメインが登録されました。

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