情物を一致させる
在庫管理で難しいのが、「情物一致」です。「情物一致」というのは情報の流れと物の流れを一致させることですがこれが一筋縄でいきません。
商品を倉庫に入れ「入庫」、必要時に出します「出庫」。この入庫と出庫の差が実在庫になります。これが物の流れになります。一方の情報の流れですが、倉庫に「入れた」数字、倉庫から「出した」数字は人が在庫管理システムに入力します。しかし、「物」が動くタイミングで「情報」を入力すればよいのですが、このタイミングをあわすのが至難の業になります。
例えば出庫伝票を元に出庫・配送を朝一番に行ったとします。この時点で「物」が動きます。この後、出庫伝票が総務部へ回され、夕方に在庫管理システムへ入力する業務の流れだったとすると、「情報」の入力は夕方となります。朝「物」が動き、夕方に「情報」が動きます。日中はシステムの在庫と倉庫の実在庫があわなくなります。
受注担当者が在庫管理システムを見て、在庫があるはずだと顧客に回答し出庫伝票を発行しました。ところが夕方になった時に朝に行った物の動きが反映され、在庫がゼロとなります。つまり顧客に回答して引当するべき在庫がなくなっていまいます。これが頻繁に発生するようになると受注担当者は画面を見ずに倉庫に走ることになります。
タイミングだけでなく人が介在しますので、他にも色々な要因で実在庫とシステムの在庫があわなくなっていきます。
<在庫管理がうまくいかない例>・本採用に向けてサンプルで出荷した在庫の引当をしなかった
・取扱品目が多く、品名などを確実に調べずに出庫指示したため誤配した
・検収をほったらかしにしていた在庫を引き当ててしまった
在庫管理システムを導入した当初は、棚卸を行いシステムの在庫と実在庫をあわせます。ところが色々な要因が一つ一つ積み重なり、信用できない在庫管理システムになってしまいます。使い続ければ、ますます信用できなくなり、最終的に誰も使わなくなります。ではどうしたらよいのでしょうか?