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写真を現像していた時代があった

column

2019年12月18日

合同会社エムアイティエス代表 水谷哲也

写真は現像するものだった

写真を何で撮影しますか?

今や撮るといえばスマホが定番です。2007年、iPhoneとアンドロイドが発売されスマホ元年となりましたが最初からスマホにはカメラがついていました。

少し前までカメラ屋さんへフィルムを出していました。富士フィルムのコマーシャルではカメラ屋の店員(岸本加世子)に振袖を着た綾小路さゆり(樹木希林)がフィルムを出しに来る場面がありました。いろいろと言う綾小路さゆりに対して、店員(岸本加世子)が「美しい方はより美しく、そうでない方はそれなりに」と答える言葉が流行語となります。やがて写真ができあがってくると写真番号に枚数を書いて、もう一度ネガをカメラ屋さんに持ち込むと焼き増しができました。

撮影に手軽なスマホですが、デジカメも根強い人気です。

カシオ QV-10が登場しデジカメが身近に

日本でデジカメが広まるきっかけになったのがカシオ計算機から1994年に発売されたQV-10です。今までは撮影しても、実際はどんな写真が写っているのか現像してみるまで分かりませんでした。QV-10には背面に液晶パネルがついており、画像をその場で確認できます。これが世界初で当時は画期的な驚きでした。

QV-10が登場したのが、ちょうどウィンドウズ95が出る時代、個人でもホームページを立ち上げ始めた頃です。QV-10で撮影した写真をケーブルでPCにつなぎ、ホームページで公開するようなことが始まっていました。ただ電池の質が今一歩で、もたなかった時代。予備に電池パックを持ち歩いていて、これがカメラ本体よりも、かさばりけっこう重かったです。QV-10は6万5千円という今ではスマホが買える値段で発売されていました。

双眼鏡のようなQuickTake100

QV-10の少し前に出ていたのがアップルのQuickTake100というデジカメ。黒いフォルムでQV-10に比べて大きく、双眼鏡スタイルといわれた平べったい形状が特徴です。こちらは液晶ディスプレイがついていないので、マッキントッシュに接続して確認しないと、どんな写真が撮れたか分かりませんでしたが、ちょうどマッキントッシュで印刷物を作成するDTP(デスクトップパブリッシング)がブームになり始める頃でもあり、社内報などを作る時に写真があるのとないのとでは大きな違いがありました。

いろいろなメーカーからデジカメが発売され、2002年にはついにフィルムカメラとデジタルカメラの出荷台数が逆転することになります。この後、スマホが登場しデジタルカメラそのものが置き換わっていきます。今ではいろいろなレンズ交換ができる高機能デジタルカメラが発売されています。

デジカメがますます進化

今ではトリプルレンズカメラを搭載するスマホが登場しています。3つのカメラは「超広角+メイン(広角)+望遠」で場面によって切り分けられ夜景もきれいに写せ、いろいろな補正もでき本当に便利な世の中になりました。

アップルウォッチやグーグルグラスなど身につける家電が増えていますが、メガネにつけてウインクで撮影するカメラが登場しています。クラウドファンディングを使って開発されているブリンカムという装置でメガネに装着して、撮りたいときにウインクをするだけです。荷物をたくさん持って手がふさがっている時などに気軽に撮影できます。

自撮りの世界も進化しており、自撮り用ドローンが登場しています。ドローンというよりも手に乗せられる小型フライングカメラで空中から撮影できます。周辺の風景や全員の集合写真を撮影できます。こうなると、もうデジカメではないですね。

デジカメ、スマホの影響もあり、減ってしまったのが街のカメラ屋さん。プリント需要が減ったのでコスプレイヤー向けのスタジオ運営やポートレート撮影に特化するなど、いろいろな生き残りをしています。

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