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ユーチューブの社長はグーグルの元大家さん

column

2019年05月15日

合同会社エムアイティエス代表 水谷哲也

学研ホールディングスがまとめた「小学生白書Web版」によると、小学生が将来つきたい職業ランキングでユーチューバが3位にランクイン。男の子に限るとプロサッカー選手に続き2位になっています。

2005年にユーチューブがスタート

ユーチューブが生まれたのが2005年2月。ペイパルで働いていたジョード・カリムらが設立しました。当時、グーグルでホームページ検索はできましたが、動画を検索しようとしても見つけるのが難しいことから動画共有サイト・ユーチューブが生まれます。

設立して2ケ月後の2005年4月23日にユーチューブ最初の動画が投稿されます。投稿したのは創業者のジョード・カリムで「Me at the zoo(ミー・アット・ザ・ズー)」というタイトルの動画でした。サンディエゴ動物園の象の前にいるジョード・カリムが子供の声やヤギの鳴き声が聞こえるなか、象を見ながら“すごくすごくすごく長い鼻”とかしゃべる19秒の動画です。動画は今もユーチューブにアップされており6740万回以上、視聴されています。

設立わずか1年半後にグーグルが買収

ユーチューブが設立されて1年半後の2006年10月にグーグルによる買収が行われます。16.5億ドル(2000億円)を投じた買収で、あまりにも巨額だったため、当時は投資額を回収できない無謀な投資だとか、間抜けな投資と言われました。ユーチューブでも今後の開発に巨額の投資が必要になり単独で事業をすすめることが難しいと分かっていたため買収を受け入れます。

当時、グーグルはグーグルビデオという動画共有サイトをもっていましたが、ユーザー数が問題になりませんでした。この時に買収をすすめた一人がスーザン・ウォシッキーという女性。2014年からユーチューブのCEOを勤める人物で、2018年フォーブス誌が選ぶ「世界で最もパワフルな女性ベスト100人」にも選ばれています。スーザンはグーグルビデオを担当していましたが、まだまだ小さな競合企業であるユーチューブの将来性を見抜き当時のグーグルの重役会に買収を提案し成功させます。

スーザン・ウォシッキーはグーグルの元大家さん

スーザン・ウォシッキーはハーバード大学で歴史と文学を学んだあと、カリフォルニアロサンゼル校でMBAを取得し、インテルに就職します。地価が高いシリコンバレーで家を買ったので心配になったのが住宅ローンの返済。自身は昼間、インテルで働いていて家にいないのでガレージを貸すことにします。住宅と一体となったガレージでオフィスとしても使えました。貸した相手がラリー・ページとサーゲイ・ブリンで、創業したばかりのグーグルです。まだ無名で、売り上げはゼロ、従業員は1人だけでした。このガレージはグーグル創業の地ということでグーグルが後に購入。今や地元の観光名所になっています。

昼間だけ働くものだと貸しましたが、スーザンが勤務を終えて帰宅しても、彼らは、ずーっとガレージにいたため、夜中までいろいろなことを話し合うことになります。仕事のことだけではなく家の周りの道は、夜間路上駐車禁止でしたので駐車については、いつもやり合っていました、ただ、7人目の従業員が来た時にあまりにも狭すぎるのでグーグルは別の場所に引っ越します。

その後、スーザンは16番目の社員として入社し、グーグル初のマーケティングマネージャーとしてグーグルの急成長に貢献します。グーグル第二の収入源となったアドセンス(サイト運営者向けの広告配信サービス)を開発しています。またスーザンは5人の子供を育てながら仕事をし、遅れている子育て制度や、企業が働く親をサポートする意義を広くアピールし話題をあつめています。

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