業務改善は“業務フロー”から着手した方が、現場に負担をかけずに改革を進めることができます。普段の仕事を細かい工程に分解し、中に潜む「ムリ・ムダ・ムラ」を減らすことで、徐々に全体も改善されていくはずです。ただし、現場にメスを入れるにはコツがあります。
今回は業務フローを改善するためにはどうすればいいか、効果が出やすい流れについてお伝えします。
業務フロー改善の基本ステップ(1)【現状把握の方法】
業務改善は“業務フロー”から着手
業務改善の取り組みは、業務フローから着手した方がうまくいきます。業務プロセスではなく業務フローから取り掛かるのは、小規模で試行した方が改善の効果を得やすいからです。
そもそも業務改善の取り組みは、普段の仕事と並行して行なうことになります。業務フローに絞って改善していくやり方なら、現場の人間にかかる負担を最小限に抑え、通常業務に差し支えなく進められます。
業務フローの可視化
業務フローを改善するのに最初に取り組むのは、現状の把握です。まずは現状を把握するために、1つ1つの流れを可視化しましょう。
「どの仕事を・誰が・どこで・いつ・どのように」行っているのか書き出して、視覚的に表現していきます。
昔からの慣習や普段の仕事のやり方も、いつのまにか時代に合わなくなっていたり、回りくどいやり方になっていたりするものです。現場へのヒアリングやアンケート、作業時間の測定など、色々な角度から情報を集めます。
可視化の注意点
可視化のプロセスでいきなりつまずくケースが多いのは、範囲を広げすぎたり、正確性にこだわりすぎたりするためです。
業務改善は時間も人手も限られている中で取り組まなくてはならないため、1から100まですべての業務フローを可視化するのは現実的ではありません。現場の不満が集中している業務フローなど、ある程度あたりをつけることが重要です。
フローチャートも可視化の定番の手法になりますが、完璧に書くために時間とエネルギーを注ぎ込み過ぎないよう、注意しましょう。準備段階で疲弊してしまう失敗ケースもよく見受けられます。
業務フロー改善の基本ステップ(2)【課題の整理】
業務フローに潜む“3M”
業務フローを可視化して現状を把握したら、問題点を洗い出すステップに移ります。どの現場にも多い3M「ムリ・ムダ・ムラ」を突き止めます。
ムリ
納期までのタイトなスケジュール、とても実現できそうもない目標・・・こういった「ムリ」な業務フローは、社員に負荷をかけてしまいます。
ムリな働き方では、身体的・精神的な疲労によるヒューマンエラーの頻発を避けられず、離職率を上昇させます。
ムダ
不必要な作業、複雑な作業など「ムダ」が多い業務フローには、余計な時間とコストをかけてしまいます。
同じデータを複数ツールに入力、書類に記入するなど、手間のかかる重複作業もピックアップします。不必要な確認作業、誰も見ない資料の作成も、ムダな業務フローの代表です。
ムラ
マニュアルが徹底されていない業務フローは、対応する人間によって処理スピード、クオリティに「ムラ」が出ます。
「〇〇さんにしか頼めない」という属人化している業務フローも不正の温床になりがちです。“例外処理”も属人化しやすいため、イレギュラーな対応も含めて、「ムラ」を洗い出します。
業務フローを改善する時は、ただ効率化を目指すのではなく、リスク対策や働きやすさも意識するのが理想的です。
<企業目線+現場目線>で課題を抽出
業務フローの問題点を洗い出したら、現状と“あるべき姿”のギャップを埋めるための「課題」を抽出していきます。このステップでは、企業目線と現場目線のバランスを取ることが大切です。
企業の立場ではムダと感じる部分も、現場の人間からすると省けない事情があることもあります。取引先や他部署との連携も無視できません。
現場の声もヒアリングしつつ、経営課題ともすり合わせていきます。課題の中から効果がすぐに出そうなところ、重要度の高いところから計画的に取り組んでいきます。
課題に優先順位をつけ、整理した上で1つ1つのタスクをこなしていきましょう。
流れが停滞する原因を分析
業務フロー改善を含む業務改善は、1度きりではなく、継続的に行っていくものです。今後に活かすためにも、問題が起きる原因の分析も行います。
人手不足や属人化、ツール不足など、流れが停滞する原因によって、効果の出る改善策もちがってきます。
原因も含め、現状について現場と経営層が共通認識を持つことは、改善策に取り組む大きなメリットになります。
業務フロー改善の基本ステップ(3)【改善策の進め方】
業務フローを可視化して問題点を洗い出し、課題を抽出しても、改善策の進め方がスムーズにいかないことがあります。
業務フローに問題があっても、単純に「ムダな工程を即削除」というわけにはいきません。どう改善すればいいのか判断に迷った時は、「ECRS(改善の4原則)」が役立ちます。
「ECRS(改善の4原則)」の活用
「ECRS(改善の4原則)」を活用しましょう。改善したい業務フローに対して、「E(削除)→C(結合)→R(交換)→S(簡素化)」の順番に改善内容を検討してみて下さい。
削除(Eliminate):なくせる?
明確な目的や理由がない業務フローをなくします。ムダな業務フローそのものを削除することで、仕事の工程を減らせます。
結合(Combine):まとめられる?
別々の業務フローを1つにまとめることで、作業効率が向上します。使用しているツールがムダに多い場合も、1つに統合することでコストやスペースを削減できます。
交換(Rearrange):入れ替えられる?
業務フローの場所や順番を入れ替えることで、効率が良くなることもあります。なにか作業する時も、動きの動線を考慮したり、道具を置く位置を変えたりするだけで、働きやすい環境に改善できます。
リモートワークに対応できるツールを導入するのも効果的です。
簡素化(Simplify):シンプルにできる?
複雑な工程はミスが生じやすくなります。手作業を自動化したり、パターン化したり、より単純な方法に改善します。業務フローの簡素化は、属人化を防ぐ効果もあります。
効果の検証
業務フローの改善策を実施したら、やりっぱなしにならないよう効果を検証します。時間は短縮できたか、コストは削減できたか、エラーの発生率は下がったか・・・色々な角度から改善効果をチェックします。
現場のフィードバックも取り入れながら、つねに最適な状態で仕事を回せるようにします。
ツールのおすすめはグループウェア
ツールの導入は即効性かつ長期的な改善効果を得られます。ただし選び方には注意が必要です。
効率化ツールは無数にあるため、闇雲に導入するとコストが予算を圧迫する上、情報が分散するリスクを伴います。
数あるツールの中でもおすすめは、ワークフローなど複数の効率化機能が1本に集約されているグループウェアです。
情報を一元化することで、セキュリティリスクも回避しやすくなります。ツールに関しても「ECRS(改善の4原則)」をあてはめ、不要なものは削除し、なるべく1つにまとめて簡素化します。
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