数字で見る中国の工業都市・重慶
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2025年01月22日
利墨(上海)商务信息咨询有限公司 高名 宏明
重慶市は中国の直轄市の一つで、中国南部に位置しています。中国の都市は太平洋側に集中していますが、重慶市は長江沿いに発展した内陸の都市になります。都市シリーズ第六弾として、今回も数値を用いてご紹介いたします。
弊社スタッフ撮影: 洪崖洞(ホンヤードン)
重慶（Chóng qìng）の基礎情報
重慶市は中国南部の内陸部に位置し、長江と嘉陵江の合流点に広がる都市です。歴史的には四川省の一部であり、1997年に直轄市に昇格しました。重慶市はその地理的特徴から「山城」とも呼ばれ、山々に囲まれた地形が特徴です。このため、街中には多くの階段があり、高低差のある風景が広がっています。重慶市はまた、霧が多いことから「霧都」とも称され、独特の景観を持つ都市として知られています。
人口：中国で最も多い都市人口
過去10年間、重慶市の人口は着実に増加してきました。2012年には約3,358万人だった常住人口が、2022年には約3,413万人に達しました。年平均で約5.5万人の増加が見られます。また、都市人口が27％増加しているのに対し、農村人口が18％減少していることから都市への人口集中が進んでいることが分かります。
『2023重庆统计年鉴』
,「表3.1 主要年份总户数、总人口（户籍统计）
土地面積：北海道とほぼ同じ広大な面積
重慶市の総面積は82,400平方キロメートルで、中国の直轄市の中で最大の面積を誇ります。
日本で例えると北海道の総面積が83,400平方キロメートルのため、北海道とほぼ同じ大きさとなります。この広大な土地には、都市部と農村部が共存しており、多様な地形と気候が特徴的です。
重慶市の経済情報
経済推移：10年間の経済成長率
重慶市の経済は過去10年間で大きく成長しました。2012年の重慶市内の総生産（GDP）は約1兆1,595億元でしたが、2022年には約2兆9,129億元に達しました。特に自動車産業や電子情報産業が成長を牽引しており、近年では新エネルギー車の生産も急増しています。また、社会消費品小売総額や固定資産投資も堅調に推移しています。
将来性：スマートシティ構想
重慶市は今後も成長が期待される都市です。特にスマートシティの構築や新エネルギー産業の発展に力を入れており、ビッグデータやAI技術を活用した都市管理や産業のスマート化が進んでいます。例えば、スマート交通システムの導入により、交通渋滞の緩和や公共交通機関の効率化が図られています。私も市街地を歩いてみましたが、道路が綺麗に整備されており移動も快適でした。また、物流ハブとしての役割も強化されており、欧州やASEAN諸国との貿易が活発化しています。
重慶市はその人口の多さから消費が活発で、中国国内でも注目される都市です。特に、夜景が美しいことで知られ、観光客にも人気があります。私が訪れた際には、解放碑や洪崖洞などの観光スポットを巡りました。また、重慶の火鍋は特に有名でその辛さは中国国内でも随一です。
今後も中国の動向をチェックし、駐在員ならではのリアルな現状をお伝えさせていただきます。
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