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自分の名前がついた小惑星をみつける

column

2024年05月08日

水谷IT支援事務所代表 水谷哲也

グーグル検索で自分の名前がついた小惑星を探すのは大変ですが、ウルフラムアルファという検索エンジンを使うとすぐに出てきます。ウルフラムアルファは天才物理学者ウルフラムが開発した検索エンジンです。

自分の名前がついた小惑星がある

自分の名前がついた小惑星があることをご存じですか。「水谷(mizutani)」、「青木(aoki)」や「哲也(tetsuya)」といった小惑星名が登録されています。

小惑星を発見すると、発見者は名前を提案することができます。提案された名前は国際天文学連合で審議され、承認されると登録されます。小惑星には命名規則があり、発音可能な英文字で16文字以内であること、公序良俗に反するものやペットの名前はダメ、すでにある小惑星と紛らわしい名前はダメとなっています。命名規則はありますが、これ以外は何でもありという、ゆるやかな規則になっています。

最初はローマ神話の神の名前がつけられていましたが、小惑星が多数見つかるようになると、文学作品の登場人物や地名などが使われるようになります。やがて望遠鏡の進化やアマチュア天文学者の努力もあり、ますます小惑星が見つかるようになりました。新しい小惑星が発見されると軌道が正しいのか、本当に新しい小惑星なのかなどチェックされ、認められればアメリカの小惑星センターで小惑星番号がつけられます。発見者は小惑星番号がついてから10年以内に名前を提案しないと、命名権を放棄したと見なされる「10年ルール」があります。

「たこやき」という小惑星名もある

日本人による発見も多いので、変わった小惑星名もあります。歴史の人物でいくと「清盛(kiyomori)」、「義経( Yoshitsune )」「高杉晋作(Shinsaku)」などがあります。変わったところでは「仮面ライダー(kamenrider)」や「たこやき(takoyaki)」なんてものもあります。東日本大震災では復興を願い、「大震災(Daishinsai)」、「浜通り(hamadori)」、「中通り(Nakadori)」、「会津(Aizu)」などの小惑星名が登録されました。 小惑星を探すにはウルフラムアルファ(Wolfram Alpha)という検索エンジンが便利です。ウルフラムアルファで自分の名前をローマ字で入れて検索します。登録されていると小惑星の軌道データなどが出てきます。

天才物理学者が開発したウルフラムアルファ

ウルフラムは人の名前、スティーブン・ウルフラムからとっています。ウルフラムは理論物理学者で、17歳でオックスフォード大学に入学したものの、授業に出ずに独学をしていました。また在学中に10本の論文を執筆した天才でもあります。やがてマセマティカ(Mathematica)という研究機関や大学などで使われる数式処理システムを考案したことで有名です。マセマティカのライブラリーには豊富な科学計算式があり数式処理のスタンダードになっています。理工系大学に入学すると、まずマセマティカを学びます。

マセマティカの名付け親はスティーブ・ジョブズです。ジョブズはアップルに復帰する前の1988年頃にネクスト(NeXT)というワークステーションを開発していました。ネクストは教育機関をターゲットにしていたので、ウルフラムとはよく会っていました。ウルフラムが色々と製品の候補名を挙げていましたがジョブズは「ダサい名前」と却下し、最終的にマセマティカとなります。ネクストにもマセマティカが入っていました。

ウルフラムが新しく開発したのがウルフラムアルファで2009年にリリースされました。Google検索と全く違うアプローチで、組込まれた膨大なデータ,アルゴリズムに基づいた動的な計算を行うことで知識と答が出ます。特に計算の結果や経過を提示してくれ、グラフなど視覚化できるため理工系大学での教育に最適です。ウルフラムアルファで例えば「triangle(三角形)」、「heart surfac(ハート曲線)」といれるだけで様々な情報を得ることができます。また「pikachu」といれるとピカチュウが出てきます。

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