0120-70-4515
電話受付:平日 10:00〜17:00
(土・日・祝日休)
column
2024年08月28日
利墨(上海)商务信息咨询有限公司 南 みなみ
近年、世界各国で自動運転技術の革新が目覚ましい速度で進展しています。日々、全国各地より自動運転に関するニュースが報じられ、まさに交通の未来が今ここにあることを感じさせます。
今回のコラムでは、自動運転に関する日本と中国での法整備や具体的な実証実験、商用サービスの展開などに着目し、最新事情についてご紹介いたします。
自動運転レベルは0~5の6段階に分類され、手動運転に相当する「レベル0」から完全自動運転を示す「レベル5」に進むに従って運転支援・自動運転の程度が上がります。
この自動運転レベルは、アメリカの「自動車技術会」(SAE)の示した基準が使われており、国交省でも詳細なデータが公開されています。
2023年4月施行の改正道路交通法で「レベル4」を解禁し、運転手がいなくても特定の条件下で完全に運転をシステム任せにすることを認めました。従来の運転手に代わり「特定自動運行保安員」などが安全確保のために遠隔監視を担うというものです。
2024年6月7日、国土交通省は自動運転レベル4の社会実装に向けて、運転手なしでの自動運転でバスなどの車両を運行する際に必要な事前審査の期間を最低2か月に短縮する方針を発表しました。
自動運転は地域公共交通の維持・改善やドライバー不足のための手段として期待されており、その実現に向けた取組として国によるサポート体制強化が図られています。
現在実施されている自動運転取り組み
一般道の自動運転は2024年度に約100ヶ所で計画・運航を行い、2025年度に全都道府県での通年運航の計画策定または実施を目指しています。
中国では2018年に自動運転車の道路テストに関するガイドラインを発表し、特定の条件下で公共道路で自動運転車の道路テストができるようになりました。
その後、2021年に道路交通安全法(改正提案書)の提出、ガイドラインの発表などが行われ、現在では40以上の省・市で自動運転車の道路テスト管理細則が発表されています。
また、2023年には自動運転車の商用運行に関する追加の法整備が行われました。これにより、商用運行の許可基準が明確化され、北京市や上海市などの主要都市での実証実験と商用運行が加速しました。
自動運転に適用させるために車両自体の技術力向上を図るだけでなく、車両と道路、クラウドの統合システムインフラを構築することで、車の判断をインフラが補えるような仕組みを構築しており、車両側のコストを抑える工夫がなされています。
現在実施されている自動運転取り組み
中国政府は自動運転に関して以下の開発目標を設定しています。
日本の漢字表記:智能網聯汽車道路測試与示範応用管理規範(試行)(2018)
これは自動運転車の道路試験とデモンストレーションアプリケーションの管理に関するガイドラインを提供しており、自動運転車の安全な試験と運用を確保するための規定を含んでいます。
日本の漢字表記:汽車駕駛自動化分級 (GB_T 40429-2021)(2021.08)
これは自動運転技術のレベルを0から5までの6つのレベルに分類する中国の国家标准(国家標準)であり、自動運転車の開発とテストに指導的な役割を果たしています。
日本の漢字表記:自動駕駛汽車運輸安全服務指南(試行)(2022.08)
これは自動運転車の運輸サービスの安全運行に関するガイドであり、自動運転車の商業化を推進する上で重要な役割を果たしています。
日本の漢字表記:関于開展智能網聯汽車准入和上路通行試点工作的通知(征求意見稿)(2022.11)
これは自動運転車の市場への参入と道路交差点での試運転に関する法律的な根拠を提供し、自動運転車の商業運用の道を開いています。
中国の各地域は、自動運転車のテストと運用を促進するために独自の法律や規則を制定しています。例えば、深セン、上海、無錫などの都市で、自動運転車の管理に関する地方条例が制定されています。
日本と中国の自動運転最新事情に関して取り上げましたが、いかがでしょうか。
どちらの国においてもこの3~4か月で報道されたニュースは具体的な実証実験や認可に関する内容でした。完全自動運転が実現するまでの道のりは長いものの、着実に一歩ずつ進んでいるような印象を受けました。
今後の動向にますます注目していきたいと思います。
(引用)
国土交通省「自動運転の社会実装に係る取り組みを推進します」(2024年6月7日)
日本経済新聞「東京都、バスなど自動運転後押し 手続き指針や費用補助」(2024年5月20日)
交通运输部关于促进道路交通自动驾驶技术发展和应用的指导意见_国务院部门文件_中国政府网
※ 掲載の情報は、2024年7月時点のものです。
※ 掲載の写真は摄图网、日本経済新聞社から引用しております。
関連コラム