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column
2023年05月02日
利墨(上海)商务信息咨询有限公司 倉田 瑞穂
前回は中国での「新卒の就職活動や状況」についてお話ししました。今回はその続きとして、中国での「中途での就職活動(転職)」についてお話ししたいと思います。日本より転職意欲が高いと言われる
中国ですが、コロナウィルスの影響でそのマインドも少しずつ変わってきているようです。
猎聘が発表した「2021Q1 中高端人才市春招跳槽数据告」によると、2021年に転職を計画している人は60.71%で、2020年の38.53%から大きく増加しています。
元々中国は日本と比べて転職のハードルが低いと言われていますが、コロナウィルスの影響で「自身の生活」や「企業の経営状況」が大きく変わり転職を求める人がさらに増えたと思われます。
転職したい人は増えていますが、そのマインドは少し変化しています。
「劳动观察新闻」の調査では2021年は次の職場を決めずに退職した人が48.2%だったのに対して、2022年は14%に激減しました。これはより計画的に転職をする人が増えたことの表れだと思われます。
また、同報告(2021Q1 中高端人才市场春招跳槽数据报告)から、転職の動機・目的の上位は「もっと稼ぎたい」、「より良い仕事をしたい」、「今の仕事に問題がある」となります。
このあたり日本と大きな違いがないと思います。日本でも「給与が低い」、「キャリアップが見込めない」などは転職の動機の上位となっています。
転職時に一番重視されることは「給与と福祉」で日本でも重視されます。二番目に重視
されることに中国での特徴がでており「安定的」となります。
元々、日本と中国では会社の安定性が大きく異なります。
そこにコロナウィルスの影響が加わり、さらに多くの人が安定性を求めるようになったと思われます。
また、通勤時間も三番目に重視され、これも中国特有かと思われます。
出典:TechWeb
http://www.techweb.com.cn/it/2022-02-14/2878367.shtml
ただし、重視することは年代によって異なっています。
以下のようにより若い世代はお金よりもストレスなく仕事ができる環境を求めていることが分かります。
「80后」(80年代生まれ):会社の発展や給与を重視
「90后」(90~94年代生まれ):職場環境、仕事内容、企業知名度を重視
「95后」(95~年代生まれ):会社雰囲気、ストレスのない環境を重視
「2023年返城就业调查报告」によると、人気の上位は「IT」、「人事/業務/行政」、「営業」です。
この上位の業界は「稼げる」と「安定している」のいずれか、または両方を満たしています。
出典:
2023年返城就业调查报告
https://finance.sina.com.cn/jjxw/2023-01-31/doc-imyeancq6973637.shtml
中国经济新闻联播版权所有
http://www.cctv-cmpany.net/channel34/69586.html
2021年(1Q)転職した中で、一番多いのは20~30%の昇給(38%)、次いで10%未満の 昇給(14%)です。大きく昇給をするのは難しいですが、転職で約4割の人が20~30%給料が上がっていることを考えると、日本よりも金銭面では転職するメリットが大きいです(日本での転職時の昇給は5~10%が相場と言われている)。
中国では様々な影響で先行きが不透明な状況が続いています。転職者は増えていますが、転職者のマインドは少しずつ変化しています。私も採用を担当している身としていち早く動向を察知し、より良い人材を採用できるように努めたいと思います。
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