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法改正情報【2024(令和6)年4月1日施行】

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2023年09月20日

社会保険労務士法人味園事務所 代表社員所長 味園 公一

2024(令和6)年4月1日から対応が必要となる労働基準法施行規則の改正が、本年5月30日に発出されました。また、同年6月28日には職業安定法施行規則が改正され、併せて来年4月1日からの対応が必要となります。以下にその内容を紹介します。

 

法改正の概要

労働基準法施行規則の一部改正の内容は、次の通りです。

    • 労働条件明示事項の追加
    • 裁量労働制に関する改正

    職業安定法施行規則の一部改正の内容は、次の通りです。

    • 求職者等に明示しなければならない事項の追加
    • 有料職業紹介事業者の手数料等、返戻金制度に関する事項を記載した書面の周知方法の追加
    なお、改正職業安定法施行規則の②については、有料職業紹介事業者に限定されることですので、ここでは割愛いたします。

    労働条件明示事項の追加

    会社は、労働者と労働契約を締結又は更新する場合には、「労働条件を明示」しなければなりません。その一部については書面により明示する必要があります。今回の労働基準法施行規則及びそれらに関連する告示の改正により、次の事項が「明示義務の対象」として追加されることとなりました。

    • 就業の場所・従事すべき業務の変更の範囲
      対象者は全ての労働者であり、明示が必要な時期は全ての労働契約を締結する時及び有期労働契約を 更新する時となります。
    • 通算契約期間・更新回数の上限
      対象者は有期契約労働者であり、明示が必要な時期は有期労働契約を締結する時及び更新する時とな ります。
      この契約更新回数の上限について、最初の労働契約の締結より後に更新上限を新設・短縮する場合
      は、その理由を労働者にあらかじめ説明することが必要になります。
    • 無期転換申し込みに関する事項及び無期転換後の労働条件
      対象者は無期転換申込権が発生する有期契約の労働者であり、明示が必要な時期は無期転換申込権が
      発生する有期労働契約を締結する時となります。
      加えて、均衡を考慮した事項の説明として、無期転換申込権が発生する契約更新のタイミングごと に、無期転換後の賃金等の労働条件を決定するに当たって、他の通常の労働者(正社員及び無期雇用
      ルタイム労働者)とのバランスを考慮した事項(業務の内容、責任の程度、異動の有無・範囲な
      ど)について、有期契約労働者に説明するよう努めなければならないことになります。

    無期転換ルールのおさらい

    「無期転換ルール」とは、有期雇用の契約期間が通算で5年を超える場合(複数年契約により5年を超えることが明確になった場合を含む。)に、当該労働者からの申し込みがあった時は、無期雇用に転換しなければならないというものです。この申し込みをする権利を「無期転換申込権」といいます。例えば、1年契約の有期労働契約の場合は5回目の契約更新を行った後に無期転換申込権が発生することになります。
    無期転換の申し込みがあれば、6年目の有期労働契約の次の契約から無期雇用に転換します。

    対応しなければいけない事項

    まず、上記(1)(2)(3)の内容について現状の実態調査・状況確認を行いましょう。2024(令和6)年3月31日までに、必要に応じて上記(1)(2)(3)の内容を盛り込んだ労働条件通知書又は雇用契約書を作成しておきましょう。

    裁量労働制に関する改正

    労働基準法施行規則及びそれらに関連する告示の改正により、専門業務型裁量労働制の労使協定について以下の協定事項が追加されます。以下(3)については、企画業務型裁量労働制においても労使委員会の決議に定める事項として追加されます。

    • 本人の同意を得ること
    • 同意をしなかった労働者に対する解雇その他の不利益取扱いをしないこと
    • 同意の撤回に関する手続き

    この他、企画業務型裁量労働制の定期報告は「当分の間は6か月以内ごとに1回」とされてきましたが、この「当分の間」の暫定措置が解除され「6か月以内に1回、及びその後1年以内ごとに1回」となります。また、当該期間の起算日についても「決議が行われた日」から「決議の有効期間の始期」に改正されます。

    対応しなければいけない事項

    裁量労働制を導入・運用するまで(継続して運用する事業場では2024年3月31日まで)に、これらの改正内容を反映させた労使協定届・決議届を、所轄労働基準監督署に届け出る必要があります。

    求職者等に明示しなければならない事項の追加

    職業安定法施行規則の一部を改正する省令により、ハローワークや職業紹介事業者等を通じて求人をする場合にも、求職者に対して以下の項目を明示しなければならないこととなります。

    • 就業の場所・従事すべき業務の変更の範囲
    • 有期労働契約を更新する場合の通算契約期間・更新回数の上限

    2024(令和6)年4月1日以降求人をする場合には、上記事項の明示が必要となります。

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