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2023年03月29日
利墨(上海)商務信息咨詢有限公司 中島 萌
最近では、Ankerのモバイルバッテリーやハイアールの冷蔵庫など、日本でも日常的に中国メーカーの名前を聞くようになったと感じる人も多いのではないでしょうか?実際に近年の中国メーカーの台頭はめざましく世界でも存在感を増しています。今回は、そんな中国メーカー、特にスマートフォンに焦点をあてて特集をしていきます。
2022年度のスマートフォンシェアTop5では、1位がSamsung(韓国)、2位がApple(アメリカ)となりました。3位から5位は中国メーカーがランクインし、国別で見ると中国が世界のスマートフォンシェアの32%を占めています。
出典:Canalys发布2022年全球前五大智能手机市场厂商排名-面包板社区 (eet-china.com)
2022年に実施されたアンケート調査では、日本で利用されているスマートフォンのうち、49.4%がApple、50.4%がAndroidであるという結果になりました。
また、Android利用者に、どのメーカーのスマートフォンを利用しているかをアンケートしたところ、SHARP29.5%、SONY18.9%、Samsung16.4%、OPPO6.4%、Google5.3%となりました。中国メーカーのシェアはOPPOの6.4%のみであり、日本では中国メーカーのスマートフォンがあまり浸透していないことがうかがえます。
出典:MMD研究所 日米中3ヶ国都市部スマートフォンユーザー比較調査第1弾
調査期間:2022年8月23日~8月28日
下記の図表は、各国・各地域別でのスマートフォンシェアTOP5を集計した円グラフ です。中国・インド・インドネシアの3か国では、中国メーカーが4社ランクインし、ブラジルで3社、アメリカでも2社がランクインしています。
また、国別でのシェアに注目すると、 中国、インド、インドネシア、ブラジルの4カ国で、中国メーカーのシェアが1位となっています。
出典:Canalys发布2022年全球前五大智能手机市场厂商排名-面包板社区 (eet-china.com)
加えて、地域別でのTop5を集計した円グラフが以下となっています。 ここでも、 中国メーカーは、ヨーロッパで30%、南アメリカで40%、アフリカでは60%と過半数以上 のシェアを獲得しています。
特に 、アフリカでは、Transsionという中国メーカー が49%と圧倒的なシェアを獲得しています。このTranssionとは、2006年に設立された中国メーカーですが、中国国内では製品が販売されていません。アフリカ市場に特化することで成功を収めた事例として、注目を集めている企業です。
出典:Canalys发布2022年全球前五大智能手机市场厂商排名-面包板社区 (eet-china.com)
世界で中国メーカーのスマートフォンが増加している理由としては、以下が考えられます。
中国国内のスマートフォン市場では、中国メーカーが約67%のシェアを占めています。世界有数の巨大市場である中国において、自国メーカーのシェアが高いことが、世界シェアを大きく占めていることにもつながっているようです。
先ほどの 図表で見た通り、各国のスマートフォンのシェアTop5 には、少なくとも2社の中国メーカーがランクインしています。 このことから、中国には世界的競争力のあるメーカーが複数存在しているといえます。多数の 中国メーカーが各国の市場に参入した結果、世界でのシェアが増加しています。
アフリカで49%と圧倒的なシェアを獲得している中国メーカーのTranssionは、電力インフラが不十分であるアフリカで、大容量バッテリーを搭載したスマートフォンを発売するなどし、消費者ニーズを獲得してシェアを伸ばしてきました。
また、世界第2位のスマートフォン市場といわれるインドでも、低価格を武器に、中国メーカーが66%のシェアを獲得しています。 このように、スマートフォンの需要が拡大している新興国でのシェアを高めていることも、世界でのシェアが増加している一因となっています。
Appleのiphoneの最低価格が6万円台なのに対して、中国製のスマートフォンは1万円台から購入できる機種も珍しくありません。低価格かつ高品質な中国のスマートフォンは、低所得者層や新興国での支持を集めて、シェアを拡大しています。
現時点では 、世界ではApple・Samsungの2社が大きなシェアを占めています。しかし、一部の国では、中国メーカーが低価格を強みにシェアを獲得してきていることがわかりました。
一方で、中国メーカーのスマートフォンは、ハイエンドモデルとしてはApple・Samsungとの競争に不利であったり、低価格帯での競争激化にさらされたりと課題もあります。
また、 国際情勢により外国での販売に規制がかかるなどの障壁もあり、今後の動向に注目があつまっています。
日本では、2018年にOPPO、2019年にはXiaomiが日本に上陸しており、携帯ショップで中国メーカーのスマートフォンを見かけることも多くなってきました。現在は、Appleや日本メーカーのシェアが多く、中国メーカーのシェアはまだまだ少ないようですが、今後は日本でどのような展開を見せていくのか、ひきつづき動向をチェックしていきたいです。
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