キャンペーン実施後の効果について
東方航空の「周末随心飞」は初日だけで10万枚購入され、週末の約80%以上は、乗り放題チケットを利用している顧客であるとの報告もあり、利用の活性化が進んでいます。
弊社スタッフが確認したところ、現在2020年9月9日時点では、ほとんどの会社が乗り放題チケットの販売を終了しており、南方航空は2日間で30万件購入され、完売したという報告があります。それほど中国に住んでいる方にとって乗り放題チケットが魅力であったことが伺えます。
飛行機がどれだけ人を運んだかという「旅客輸送量(中国国内)」で見ると、最初にスタートした東方航空では、最大のマイナス幅が2020年2月前年同期比▲88.5%であったことに対し、同年7月には前年同期比▲24.3%までマイナス幅を縮めることができています。特に乗り放題チケットを発表する前の5月と、結果が出始める7月では、約2倍近くの伸びとなっていました。南方航空でも同様の数値が出ており、一定の成果が出ていることが伺えます。
<主要航空会社の旅客輸送量状況>
航空会社 | 旅客輸送量2月 (国内) |
前年同期比 | 旅客輸送量7月 (国内) |
前年同期比 |
東方航空 | 1,350.49百万 | ▲88.5% | 9,581.48百万 | ▲24.3% |
---|---|---|---|---|
南方航空 | 2,257.20百万 | ▲85.9% | 12,891.39百万 | ▲26.9% |
海南航空 | 656.59百万 | ▲93.6% | 4,868.55百万 | ▲52.5% |
このサブスクリプション化の目的は、おそらくコロナ禍で低迷した旅行客への「刺激」だと考えられます。主な航空会社の中間決算発表数値を見てみますと、やはり大幅に影響を受けていることがわかります。収益の補填をするということも一部あると思いますが、赤字幅を大幅に埋められるほどの数字には至らないと感じています。
「経済を活性化」(旅行で消費増加)や、「旅行自体の活性化」(旅行に行っている人を見て旅行に行く動機へ)につながると想定もでき、サブスクリプション単体での成果を追いかけているのではなく、相乗効果を狙っていることも伺えます。
主要航空会社の中間決算(2020年1~6月)
東方航空:売上251億2,900万元(前年比57.3%減)赤字87億8,700万元
南方航空:売上389億6,400万元(前年比46.6%減)赤字78億3,200万元
海南航空:売上117億1,185万元(前年比66.6%減)赤字79億4,581万元
今後もコロナとは長く付き合わないといけないことが想定できます。この時期だからこそ、今まで通りの古典的な戦略だけでなく、違った切り口で商品設計・販売活動も模索していかないといけないと、私自身がまとめた中で感じました。新しいアイディア、新しい戦略でコロナを乗り切りましょう。
※各航空会社の情報は各公式HPより入手