テレワークを支援するグループウェアの機能を紹介
図1:全社テレワークだからこそグループウェアが真価を発揮
(1)コミュニケーション支援
顔を合わせないとなると、主要なコミュニケーション手段は電話、電子メールやグループチャットツールです。電話は肉声で感情まで伝えやすい一方、1対1が前提であるため同報性が低く、「言った・言わない」といった問題が起こりがちです。電子メールやグループチャットツールは多くのメンバーに正確な情報を伝達できますが、文章やファイルだけのやりとりになるため、複雑な内容を扱ったり、長期のプロジェクトで利用すると、情報の収集や整理が非常に煩雑になってしまいます。
ループウェアの中には、「伝言・所在」「安否確認」「スケジュール機能」といったコミュニケーション機能を持つものがあり、さまざまなシチュエーションにピンポイントで対応可能です。
たとえば「伝言・所在」は、メンバーの不在時に受けた伝言を作成したり、自分の不在時に作成された伝言を確認できる機能です。テレワーク時には、自分が顧客や取引先から受けた伝言を必要なメンバーに伝える際に利用できます。また、メール通知機能があり、重要な伝言はただちにメールでも発信でき、伝言確認ミスを防げます。
一方、「安否確認」は緊急連絡先を登録しておき、地震や台風などの自然災害やテロ、パンデミックなどの緊急時や災害発生時、地域や部署ごとに安否確認のメールを一斉配信できる機能です。メールを受信したメンバーは、携帯電話、PC、スマートフォンから自分の状況を報告できます。最近は同僚といえども、プライベートの住所や連絡先を知らないことが多く、このように緊急連絡先を明らかにしておくことは非常に重要です。今回のような状況のテレワーク時は、メンバーの体調を毎日確認し、それを報告するツールとしても活用可能です。
「スケジュール機能」は、文字通りスケジュールを登録するもので、グループウェアのスケジュールは自分のスケジュールだけでなくメンバーのスケジュールが一目でわかるようになっています。これによって、オンライン会議招集などの際も簡単に空き時間を検索・調整できます。また、邪魔されず集中して作業したい時は、“集中タイム”などと書き込むようにしておけば、メンバーが連絡を取るのを避けられ、顔の見えないテレワーク時でも、生産性高く業務を進められます。また、スケジュール機能はメールや伝言での通知、付箋機能などとも連携しているので、コミュニケーション効率を高められます。
(2)情報の共有・管理
テレワーク時に何より重要なことは、業務に必要な情報にスムーズにアクセスできることです。グループウェアでは、情報の保管先として「文書管理」機能が役立ちます。そもそもは規定集や契約書ひな形などの社内文書を保管・共有することを想定した機能ですが、業務に直結した文書をここに置けば、自宅にいながらでも、セキュアに業務を継続できます。
図2:社外からアクセスできない情報をセキュアにグループウェアへ
もちろん、フォルダやファイルに対してアクセス権を設定でき、特定の部署やメンバーのみで閲覧・編集するといったことも可能。ドラッグ&ドロップによるフォルダ整理機能やファイルの一括アップロード機能なども合わせて使えば、臨時の情報倉庫がすばやくできあがります。
また、今回のようなテレワークでは状況が刻々と変化しています。そのため、常に最新情報を共有できる体制を確立しておくことも肝要です。「回覧・レポート」は、複数人への情報回覧や報告書の提出をサポートする機能です。複数人に情報を回覧した際、誰が閲覧したことがわかり、未読の人には回覧内容を再送信できます。これにより、確実に伝えたい情報の周知徹底が図れます。
(3)承認・決裁
承認・決裁方法を確立しておくことも、スムーズなテレワークへの移行の大きなカギです。グループウェアの「ワークフロー」機能は、非対面の状況でも組織の意思決定を進めていくのに決定的な役割を果たします。各種届け出や申請書を作成できるばかりでなく、それら書類単位でアクセス権や経路の設定ができるため、業務遂行を妨げません。申請時にはメールとの連携で、承認者へより確かに通知することも可能です。
テレワーク時でも、周辺機器や資料購入なので出費が発生します。そんな時、「ワークフロー」機能で経費精算の申請書式を作成しておけば、出社せずして立替精算が行えるので便利です。