武漢市で実施したロックダウンとは?
武漢市人民政府公式サイトから、現時点(2020年4月)で20通の通告が行われております。中国で発令されている政策は、基本的には指示に従わなかった場合には罰則があるため、「強制力がある」ことが日本と違う特徴です。
現時点(2020年4月)では解除されていますが、実際具体的にどんなことが行われていたのか、主な政策に絞って、ご紹介していきます。
徹底した消毒作業
百度記事(新华社新媒体)より:武汉:喷药消毒
すべての交通機関の停止
2020年1月23日10時から、武漢市全域の路線バス、地下鉄、フェリー、長距離バスの運行を一時停止。空港、駅は武漢から出発するルートを一時閉鎖。(武漢市人民政府発表「第一号通告」)
スマートフォンアプリによる配車サービス(タクシー)の運営を停止。(武漢市人民政府発表「第五号通告」)
交通機関が停止したため、緊急で6,000台のタクシーを招集し、無料で管轄地区の移動手段として活用を可能とした。食品・薬などの宅配サービスとしても無料で利用可能。(武漢市人民政府発表「第八号通告」)
住民の外出制限
市民は特別な理由がない限り武漢を離れてはならない。(武漢市人民政府発表「第一号通告」)
マスク着用が必須
公共施設(ホテル、レストラン、ショッピングモール、公園、公共交通機関など)の運営者は、施設に入る顧客にマスク着用を要求して、マスクを着用しない人には、施設に入るのを控えるように指示するように求められる。マスクをつけない場合は、「公安管理違反となり、公安機関は法律に基づいて処罰し~」と記載があるように処罰される。(武漢市人民政府発表「第十三号通知」)
体温測定の義務化
1日2回(朝と午後)の体温測定と、37.3度以上になった際の報告、義務化。(武漢市人民政府発表「第十五号通知」)
配布されているQRコードから事前に健康状態を登録し、住宅団地などに入るタイミングで、管理者が読み取り、迅速にチェックする体制を整備。
感染した場合の措置
感染や発熱が発覚した場合、政府が用意した車で患者を指定の隔離施設に移動させ、治療や予防措置を提供する。政府からの指示に協力しなかった場合でも強制的に執行。(武漢市人民政府発表「第十号通知」)
1日2回の街の消毒
2020年2月9日から1日に2回(毎日午前10時と午後4時頃)集中的に消毒を実施。主な対象は、市の医療機関、集中隔離場所、社区、スーパーマーケット、ホテル、市場、公衆トイレ、ごみ収集場所など。
一部の地域で、2020年2月8日に夜通し、合計100トン以上の低濃度次亜塩素酸ナトリウム消毒剤が散布され、公共エリアと公共施設を集中的に消毒。
百度記事(中国青年网/CCTV新闻)より:湖北各地继续集中消杀 武汉全城一天消毒两次
他にも中国各地での対策は、春節の延長、海外渡航者の2週間隔離や渡航禁止などの対策も行われており、どれも強制力がある内容が多く、また政策実施のスピードが速いため、日本以上に日々の情報収集が重要になります。
日本ではもちろんですが、中国でも武漢市から5万5千人が各地に戻りますので、まだまだ油断はできません。感染の危険性が高いのは、「三密(密閉、密集、密接)」であると言われていますので、そういった環境にはできる限り控えた行動ができるように、心掛けていきましょう。
一人ひとりが「リスク管理」を意識し、行動していくことで、この危機を乗り越えていきましょう。