ファイル共有とは?
ファイル共有サービスが今ほど普及していない頃、企業はファイルサーバをファイルの保管庫とし、そこに個人で利用するファイルや組織内で有効活用すべきファイルを一括して置いていました。この方法は、情報共有や情報漏えい防止という点で高い効果を発揮しましたが、組織で所有するかぎりは運用管理の手間が発生。また、セキュリティ上、社外からアクセスさせるわけにはいかないため、社外の協業メンバーなどとファイルをやりとりするためには、別の手段を考えなければいけません。
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2020年04月08日(最終更新 2023年11月16日)
新型コロナウイルスの感染対策も落ち着きを見せていますが、大手を中心にテレワークを正規の勤務体系に組み込んだ企業は多く、現在でも多くの従業員が在宅勤務を行っています。
今回のコラムでは、時間とコストをおさえて、中小企業でもテレワークを実現する方法の1つとして、ファイル共有サービス(オンラインストレージ)を紹介します。
従来、ファイル共有サービスは、社内・社外を問わず、複数人との「大容量のファイルのやりとり」「ファイルの保存・共有」「PCの盗難・紛失による情報漏えい対策」などに利用されていました。
いつでも・どこからでも、必要なファイル(データ)にアクセスでき、業務を遂行できるファイル共有サービスを導入すれば、今回のような緊急時、テレワークへの移行も比較的容易に実施できます。また、ファイル共有サービスはクラウドサービスで提供されおり、自社で従業員へ専用PCを配布する必要も特別なネットワークを用意する必要ありません。低コストかつスピーディに、テレワークを実施する環境を用意できます。
では、テレワークの実現をはじめとするサービス導入のメリットと、企業で導入する際の検討ポイントを解説します。
目次
ファイル共有サービスが今ほど普及していない頃、企業はファイルサーバをファイルの保管庫とし、そこに個人で利用するファイルや組織内で有効活用すべきファイルを一括して置いていました。この方法は、情報共有や情報漏えい防止という点で高い効果を発揮しましたが、組織で所有するかぎりは運用管理の手間が発生。また、セキュリティ上、社外からアクセスさせるわけにはいかないため、社外の協業メンバーなどとファイルをやりとりするためには、別の手段を考えなければいけません。
こうした問題を解決するのが、クラウド型のファイル共有サービス(オンラインストレージ)です。企業は、自らサーバを運用管理することなく、適切な権限を設定しながら、社内外でファイルの保管とやりとりが行えるようになりました。また、容量が大きく、ギガバイト単位の大容量ファイルも問題なく扱えます。
クラウド型ファイル共有サービス(オンラインストレージ)は数多くあり、無料枠や無料トライアル期間が設定されていたり、月額料金も比較的安価なので、デジタルフォトの保管や大容量ファイルの受け渡しなどで、もう皆さんも気軽に利用されているのではないでしょうか。
しかし、企業で利用するとなると、気軽にというわけにはいきません。価格もさることながら、それ以上に重要なのはセキュリティやファイルの管理性、ファイル共有の容易さです。ファイルを一元管理する場所だけに、これらが高機能でなければ、業務が効率化するどころか、かえって混乱に陥ってしまいます。導入時、特に留意して検討しておきたいポイントとしては、以下の4点があります。
ファイル共有サービス(オンラインストレージ)でファイル共有を開始すると、すぐに数百、数千単位のファイルが集まってきます。フォルダ名などで管理ルールを定めたとしても、すぐに例外事象が発生するため、検索機能が充実していることが望ましいです。ファイル名のみならず、他の方法でも検索可能か確かめておいてください。また、共有する人数が増えてくると、どこで・誰と・どんな権限で共有しているのかの状況把握が難しくなり、セキュリティリスクが高まってしまいます。そのため、共有状況を画面で可視化したり、レポートとして出力できる機能があると安心です。また、統制をかけながら、一部の管理機能を移譲できる機能があれば、管理責任者の負担を軽減できます。
図1:権限移譲によるグループ管理で管理責任者の負担は軽減
この仕組みでは、共有を前提にファイルを保管するため、共有を後押しする機能が求められます。ファイルを更新すると、共有ユーザーに自動的にメール通知できたり、同名のファイルをアップしても上書きされることなく、自動的にバージョンを管理してくれたり、お互い離れた場所からオンライン上で、同時にファイルを編集できたりすれば、ファイルをめぐる作業効率は大きく高まります。1つひとつは些細な利便性でも、ファイルのやりとりで業務が進む今日、“ちりも積もれば山となる”のです。
図2:離れた場所から同時にファイルを編集できれば作業効率が大幅に向上
ファイルを守る機能がどこまで用意されているかも、注意して検討しましょう。たとえば、ファイルの内容や共有する相手などによっては、「業務を前に進めるためにファイルを見せるのは致し方ないけれど、ダウンロードはしてもらいたくない」「そもそも、サービスのアカウントを持たせたくない」という場合もあります。そうしたことを実現する機能が、そのサービスに備わっているか?また、誰が・どのファイルに対して、どんな操作を行ったかといった証跡を残しておくことも、万が一のことが起きた時、後から追跡するために非常に重要です。システムログに頼ることなく証跡にアクセスする方法があれば、間髪を置かず、アクションを起こせます。
ファイル共有サービス(オンラインストレージ)には欧米製のものもありますが、日本と欧米ではビジネス習慣が異なるため、ファイル共有の考え方も異なる場合があります。一般的に日本では、個人が作成したファイルも、組織で作成したかぎり、所有権は組織にあると考えます。しかし、欧米では個人が作成したファイルの所有権は個人に属し、当人がいなくなれば組織のものでなくなると考えて割り切って処理します。たとえば、退職などでユーザーアカウントが消滅した場合、そのサービスでは当人が作成したファイルの扱いはどうなるか?使い始めてから「こんなはずではなかった」といった事態に陥らないように、よく検証しておきましょう。
情報爆発といわれる現代、活発にビジネスを展開すればするほど、ファイルの数は増え、種類も多彩になり、大容量化の一途をたどっています。知恵あるファイル共有こそが、業務効率向上のカギといえるかもしれません。また、状況が落ち着いている今のうちにテレワークの体制を整えておけば、今後の業務や新たな働き方改革もスムーズに進めることができるでしょう。貴社の業務規模や業態、業務のスタイルなどに合わせ、最適なファイル共有サービス(オンラインストレージ)をお選びください。