武漢の経済 GDP成長率が中国の中でも高い8.0%増!
武漢市の2018年度GDP成長率は前年比8.0%の1兆4,847.29億元で、中国全体の6.6%を1.4ポイント上回っています。1人当たり2018年GDPは13万5,136元となり、沿岸部(上海、北京、天津等)と肩を並べる規模へ成長をしております。
2020年1月7日に開催された「武漢市十四届人大五次会議」で武漢市長が2019年GDP成長率は7.8%前後の見込みとして発表されており、依然として高い成長率を維持しております。
消費:サービス業にも力を!
現在産業別に見ると、「第三次産業」のGDPに占める割合が54.6%で武漢市最大の産業となっています。社会消費品小売総額は毎年10%を超えるペースで成長を遂げ、現在では中国の中で上位消費地域となっています。現在、主要道路、地下鉄、橋などのインフラ工事が多く進められており、外資系スーパーマーケット(日本のイオン含む)、日系コンビニチェーンなどのサービス業関連企業が続々と進出しています。
2016年10月26日に発表された「武漢市現代サービス業発展“十三五”計画」においては、2020年までに「規模倍増:サービス業の付加価値総額を1兆元以上にし、サービス業のGDP比55%を目標」や、「貢献増強:サービス業の就業者数を就労人口55%にして、新たなサービス業をリードしていく企業を創り、世界的に影響力のある産業イノベーションセンターを創る」など、具体的な数値目標を設定することで、武漢市サービス業のさらなる発展を図っています。
主力産業:自動車製造業からハイテク産業へ
「自動車製造業」は武漢市の主力産業で、湖北省の全体工業生産額の2割を占めており2017年の付加価値総額は3,000億元と突破しております。武漢市に所属している企業を見ると、地場、外資系含め500社を超える自動車関連サプライヤーが集まっています。また日本企業では157社(武漢商工クラブ会員企業数※2020年1月現在)が武漢市に進出していますが、そのうちおよそ半数がホンダや日産自動車、デンソーなどの自動車関連メーカーであることからも、「自動車製造業」が盛んであることがわかります。
近年では産業構造に少しずつ変化が出てきております。2018年度工業付加価値総額の伸び率をみると、「自動車製造業」が前年比1.1%減となったのに対して、「コンピュータ・通信・電子機器製造業」前年比12.5%増、「医薬品製造業」前年比9.4%増、「電気機械・設備製造業」前年比7.4%増などのハイテク産業が堅調に推移しており、新産業へ少しずつ転換されていることがわかります。投資の面でも、新エネルギー自動車産業の投資は前年比3.6倍、ハイテク技術製造業は56.5%増となり、工業技術改革にかかる投資増えておりますので、中国としても経済発展には欠かせない都市になっていきているのではないでしょうか。
【武漢市基礎情報】 | 2018年度 | 前年比 |
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面積 | 8,569㎢ | ー |
人口 | 1,108万人 | 1.7%↑ |
GDP | 1兆4,847.29億元 | 8%↑ |
第一次産業GDP割合 | 2.4% | 0.6ポイント↓ |
第二次産業GDP割合 | 43.0% | 0.7ポイント↓ |
第三次産業GDP割合 | 54.6% | 1.35ポイント↑ |
一人当たりGDP | 13万5,136元 | 8.5%↑ |
一人当たり可処分所得 | 4万2,133元 | 9%↑ |
社会消費品小売総額 | 6,843億9,000万元 | 10.5%↑ |
「武漢」が中国の中でも成長している大都市であるということをご理解いただけたと思います。これだけ発達した都市ですので、新型コロナウイルスが経済にどこまで影響するのか、取引先にどこまで影響がでるかは、不透明感がまだまだ続くと思います。
緊急事態の時こそ、最悪の事態を想定し、リスク対策を取りながら行動をしていくことをお勧めいたします。弊社としても、行動理念で掲げている「備えよ、常に」を意識し、取り組んでまいります。
※ 統計データは「湖北省統計局」「ジェトロHP」を参照しております。
湖北省統計局参考URL:
http://tjj.hubei.gov.cn/tjsj/tjgb/ndtjgb/201910/t20191025_21403.shtml
ジェトロ参考URL①:
https://www.jetro.go.jp/biz/areareports/2019/888eec55afe4394f.html
ジェトロ参考URL②:
https://www.jetro.go.jp/ext_images/world/asia/cn/chubu/pdf/overview_wuhan_201812.pdf