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中国の省別企業数・日本商工会組織~3年間の変化~

column

2019年12月25日

利墨(上海)商务信息咨询有限公司  逢坂 興昌

中国の経済成長が鈍化していると各方面でニュースや報道があると思いますが、中国企業数はどのように推移しているか皆様は知っていますか?
今回は2016年11月に執筆した「中国の省別企業数・日本商工会組織のデータを軸に比較し、どのような変化があるか解説いたします。

中国地域別法人企業数と増減率

法人企業数では大幅に増加しており、統計が取れる2017年と2014年を比較すると、増減率170%の1,809万社となっております。更に3年前を遡った2014年と2011年では増減率144%のであることから、近年は増加傾向ということがわかります。また、2017年と2014年同時期の日本企業で比較すると増減率119%なので、日本と比較しても大幅に増えていることがわかります。

地域別の企業数では、3年前と変わらず「江蘇省」が214万社と一番企業数が多く、続いて「広東省」175万社、「山東省」167万社の順となっています。増減率上位で見ると「青海省」の256%がトップですが、注目なのは、企業数が5番目に多い「河北省」が245%で急激に伸びている点です。河北省では新たな経済開発区「雄安新区」が習近平国家主席主導の国家プロジェクトとして、ハイテク都市計画が進んでいます。今後、インフラ整備などの建設が加速すると見られ、より一層注目される地域と言えます。

表1 企業法人数 トップ5

反対に企業数が最も少ないのが、西部に位置する「西蔵(チベット)自治区」9千社、「宁夏回族自治区」6万社です。増減率下位でみると「西蔵(チベット)自治区」の105%で一番低いです。気になるポイントは、増減率が2番目に低い地域「北京市」109%、3番目の「上海市」112%である点です。環境規制などで大都市にあった工場が、地方都市への移転したことが増加鈍化の要因の一つになっていると考えられます。

 

表2 企業法人数 増加率ワースト5

中国各地域別外資系企業数・日本商工会組織と増減率

外資系企業数では、「上海市」が一番多く2.2万社、続いて「江蘇省」2.1万社、「広東省」1.9万社であり、全企業数に占める外資系企業割合が一番高いのは、「上海市」で4.86%、続いて「北京市」1.44%、「天津市」1.33%となっています。気になる点は全企業数に占める外資系企業割合が全地域落ちている点です。中国における現地ローカル企業の影響度が以前より大きくなっていると想定でき、「世界の工場」から「世界の市場」へと変わっている一つの数値とも言えます。

表3 外商比率 トップ5

各地域の日本商工会組織に所属する法人会員数は、3年前と同じく「上海市」が2,264と一番多く、広州と深センを合計した「広東省」の1,050、蘇州、無錫、南京を合計した「江蘇省」980と続き、依然として外資系企業が多い地域は、日系企業や商工会組織会員数も多いことが分かります。増減率で見ると増加している地域は、「江蘇省」102%、「福建省」110%の2つのみで、全体的に減少傾向であることが見受けられます。
中国大陸における日系企業数は年々減少しており、中国ローカル企業に対しての取引をより一層強化していくタイミングなのかもしれません。

表4 省別企業数および日本商工会組織

参照URL:http://www.allchinainfo.com/map/asia-china/chinadist_city

  • 表1~4の中国法人数、外資(外商)企業数は国家統計局2017年度データより。
  • 商工会法人会員数は「中国経済と日本企業2019年白書」または各商工会HPより。
  • 日本法人数は、リスクモンスター独自集計により。
  • 掲載しているブランド名やロゴは各社が所有する商標または登録商標です。
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