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無料のグループウェア。ビジネス視点でメリットとデメリットを解説

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2019年09月30日(最終更新 2022年11月22日)

グループウェアとは、企業や組織内での円滑な情報共有やコミュニケーションを支援するITツールです。「コストをかけず、ちょっと使ってみたい」という時、無料のグループウェアを選ばれる企業も少なくありません。では、実際にどんなサービスが提供されているのでしょうか。ここでは、4つの無料グループウェアを紹介。無料のグループウェアを導入する際に、確認しておきたい注意ポイントをまとめてみました。

グループウェアはチームの情報共有を支援するITツール

日本の企業では、チームワークが重要です。部門や課、プロジェクトの複数メンバーが協力することで、大きな成果を生み出しています。そのカギとなるのがメンバー間の情報共有で、グループウェアはこれを支援するITシステムです。メンバーそれぞれの情報や仕事の状況を、1つのシステム上で統合管理し、それらを公開・共有することで、共創を生み出すとともに、協調・協業を加速させる効果があります。グループウェアの代表的な機能には、Webメールやスケジュール管理、設備予約などがあります。

グループウェアの導入効果

では、グループウェアを導入すると、実際にどのような業務改善が図れるのでしょう。有料版のグループウェアのケースですが、複数の拠点を持つA社の導入効果を紹介します。

セキュリティの強化

紙の書類やUSBメモリで重要なデータを持ち運んでいた従来の運用を、グループウェアの「ファイル共有」を移行することで、セキュリティを強化。

大幅な業務の効率化

グループウェアの「スケジュール機能」を使うことで、内線・外線電話による従業員の離籍/在籍確認の時間を大幅に削減。

コスト削減

「設備予約機能」で社用車の利用状況を可視化。使われていない2台の車両を処分し、コスト削減。

業務状況を見える化で、改善を支援

「スケジュール機能」によって、従業員それぞれの就業業況や業務内容を見える化し、改善に役立てています。

無料で使えるグループウェア4選

最近は無料のグループウェアも数多く提供されており、「まずはコストをかけず使ってみたい」という時、気軽に利用できます。ここでは、4つの無料グループウェアを紹介します。

R-GROUP

約2,000社の日本企業が利用するクラウド型のグループウェア。ユーザー数も、ストレージ容量も無制限。スケジュール/タイムカード/ファイル共有など、12種類の機能が利用できます。世界11言語に対応。iOSとAndroid対応のモバイルアプリがあり、スマートフォンでも利用できます。利用規約には「本サービスにおける無償の電話、FAX等によるサポートの義務は負わないものとします」とあり、問い合わせフォームも見当たりません。

e-Broad Office

スケジュール/ToDoリスト/など、10機能を無料で利用できます。ユーザー数は無制限。無料ながら、在籍確認と最大50MBのファイルを送信できる機能も備えています。モバイル対応は、スケジュール/伝言メモ/ToDoリスト/アドレス帳の4機能のみ。ユーザー間の情報共有に使える掲示板や在籍確認は、モバイルで利用できません。

GRIDY(無料版)

スケジュール/設備予約/プロジェクト管理/メールなど、23の機能を利用できます。ユーザー数は無制限。利用できるストレージ容量は1GBと少な目。スマートフォンに対応していません。電話やメール、問い合わせフォームでのサポートがなく、操作などで困った時は、「よくある質問」や「操作ガイド」を読み、解決するしか方法がありません。

サークルスクエア

約62万人のユーザーが利用しているグループウェア。スケジュール/掲示板/メール配信/フォルダなど、17機能をスマートフォンで利用できます。メンバー間のコミュニケーションに使用する「つぶやき」は、140字以内の短文。共有資料などを保管しておくストレージもありません。サークル活動やイベントでの利用が多いグループウェアなので、ビジネス向きとは言えないでしょう。

無料グループウェアのメリットとデメリット

無料のグループウェアのメリットは、何といってもコストがかからないことです。固定経費を少しでも抑えたい組織にとっては、これは大きな魅力。初めてのグループウェア導入、という企業にはお薦めです。しかし、その一方で、無料グループウェアは次のようなデメリットを抱えています。

利用できる機能やユーザー数、データ容量の制限

無料である以上、利用できる機能やユーザー数、データ容量に制限を設けているサービスも多いです。無料だからと安易に導入すると、「業務に必要な機能がない」「容量不足でデータを共有できない」といった問題が発生します。また、企業が成長し、利用ユーザー数を増やすことになれば、有料版へのアップグレード、あるいは他のサービスへの乗り換えは避けられません。自社の業務や今後の事業計画を見据えた観点で、サービスを選ぶ必要があります。

操作方法やトラブル発生時のサポートが不十分

無料サービスには、充実したサポート対応を期待できません。電話やメール、フォームといった問い合わせ窓口のないサービスも多く、問題が発生すれば、自社で解決するしかありません。情報システム部門がない企業やITに詳しい人がいない企業にとって、これは大問題。業務がストップする恐れがあります。

突然のサービス提供終了のリスク

無料サービスには、サービス提供の中止・中断などを利用規約で免責としているケースが多く、突然、利用できなくなる可能性があります。その一例が、2019年4月にサービス提供を終了したサイボウズLive。有料版に注力するという方針で、無料版の提供が打ち切られ、200万を超えるユーザーが代替サービスの選定・導入に追われました。無料のグループウェアは、有料版と比較して、突然のサービス終了のリスクが高いといえるでしょう。

図1:無料のグループウェア 導入のメリット・デメリット

図1:コストメリットに比べ、デメリットが多い無料のグループウェア

無料のグループウェア 導入前の注意ポイント

無料のグループウェアを導入する前に、注意しておきたいポイントを紹介します。

組織の成長やグループウェア活用を最優先に

本気でグループウェアを業務に活用したいと考えるのであれば、機能・ユーザー数・ストレージ容量などの拡張性が高いサービスを選びましょう。「組織や事業が大きくなった時に考えればいい」では、拡張するたびに、割高な追加費用が必要になります。また、コストを抑えた結果、制限ばかり多ければ、ユーザーは不便さを感じ、グループウェアそのものが活用されなくなります。

トラブルやサービス中止への事前の備え

無料サービスに、充実したサポートや問い合わせ対応は期待できません。そのため、自社での対応を考えておく必要があります。この点をおざなりにしていると、トラブル発生時、迅速に対処できず、業務の中断・停滞を招いてしまうこともあります。また、サービス終了の可能性はゼロではないので、そうした事態に備えたバックアップ・プランを立てておく必要もあります。

サービスのセキュリティをチェック

無料のグループウェアには、セキュリティ対策が不十分なものもあります。グループウェアには、顧客情報や原価情報といった重要な情報が存在する以上、無料・有料を問わず、セキュリティ対策はチェックしてください。サービス提供会社がプライバシーマーク取得済みか、クラウド環境が情報セキュリティに関する国際規格ISO27001の認証を受けているか、などが1つのセキュリティ基準になるでしょう。

図2:導入前に確認しておきたい注意ポイント

図2:導入前に確認しておきたい注意ポイント

まとめ:低料金のグループウェアも選択肢の1つに

無料のグループウェアには、機能が充実・ユーザー数は無制限・モバイル対応といったサービスもあります。しかし、今回紹介したように、無料であるがゆえのデメリットやリスクも存在します。そのリスクを回避し、今後の組織や業務内容の変化に対応し続けるためには、低コストのグループウェアを選択肢の1つに加えることを提案します。

グループウェア「J-MOTTO」は、1ユーザー月150円からという低料金で、ポータル/スケジュール/ワークフロー/Webメール/設備予約/安否確認/文書管理など、25種類の機能が利用できるグループウェアです。ユーザーの追加は10ユーザー単位、ディスク容量の追加は50MB単位ときめ細かな設定。また、最大3ヶ月間の無料お試しトライアルがあるので、他の無料サービスと同様に、使って・試してから、導入を決定できます。

なお、冒頭で紹介した「グループウェア導入効果:A社のケース」は、初めてのグループウェアに「J-MOTTO」を選ばれた企業様の事例です。

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