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2019年01月30日
利墨(上海)商務信息咨詢有限公司 副総経理 河原吉虎
今回は中国の個人所得税について、この度、改正が行なわれ2019年1月より施行されましたので、ご紹介します。
中国の国家税務総局は2018年12月、「個人所得税法実施条例」にて個人所得税法を改正し、この2019年1月1日から施行しました。
(http://www.chinatax.gov.cn/n810341/n810755/c3960202/content.html)
中国では国家財政収入における、所得税収入の割合が先進国に比べて低く、5、6%と言われております。
また、日本でも盛んに報道されていますが中国の有名女優の巨額の脱税事件は氷山の一角といわれています。
このような状況で今回の個人所得税の改革が行なわれました。
現地採用のローカルスタッフや我々のような在中国の駐在員に影響のあるものですが、中身の詳細は、専門化に委ねるとして、(こちら中国でも盛んにセミナーなどが行なわれています。)
今回の個人所得税法の改正で、「3険1金」(養老保険、医療保険、失業保険、住宅公共積立金)などの特別控除に加えて、子どもの教育、継続教育、大病の医療費、住宅ローンの金利、住宅家賃、高齢者扶養の6項目を控除対象とする特別項目付加控除が追加されました。
また、2019年1月の施行に先立ち2018年10月から賃金の基礎控除額の引き上げ(月3,500元から月5,000元に変更)が実施されました。そして、中国国家税務総局によると、その効果として、10月から12月末までの3ヶ月で約1000億元を減税し、7000万人以上が所得税を納める必要がなくなったとしています。
将来的な税制改革が目的ですが、先に減税と控除対象を追加し、申告する側のメリットを見せて、スムーズな導入を行なっています。
人口14億人に迫ろうとする中国人民がどのように申請するかというと、中国の国家税務総局は「個人所得税(个人所得税)」という名のスマホアプリを公開し、このアプリで各個人が個人情報を申請することとなります。弊社ローカルスタッフもさっそくこのアプリをダウンロードしています。
日本では年末調整や確定申告を電子化する流れもありますが、まだまだ紙中心と思います。いきなりスマホ中心で進めるのが中国らしいです。
この個人所得税スマホアプリですが、一時期、中国のスマホアプリランキングでTOPになるほど人気のアプリになっています。人気常連のTikTokやニュースアプリ、購買アプリを抑えてのTOPとなります。それほど、みんなが必要に迫られてダウンロードしているということです。
アプリの画面です。
個人情報と控除対象となる情報を設定していくシンプルなアプリとなっています。随時機能追加もされています。
こういった行政に近いサービスでもスマホファーストなところが日本と異なるところと思います。我々、駐在員も将来的には自身で申請することになる可能性もありますので、今後も注目してゆきたいと思います。