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衛星写真で遺跡を見つける

column

2022年06月29日

合同会社エムアイティエス代表 水谷哲也

コロナ禍で気軽に旅行ができないなか、グーグルマップのストリートビューを活用すると訪れてみたい場所の下見をすることができます。グーグルアースを起動して「キューポラ観測モジュール」を探せば、地球を眺めることができます。家にいながら世界中を見ることができる便利な世の中になりました。もう少し未来になるとVRを使って訪問することができるでしょう。この衛星写真を使って「ポツンと一軒家」ではありませんが、遺跡を見つけることができます。

2005年、グーグルマップ、グーグルアースがスタート

淡路島にあるハローキティショーボックスというキティのショーが楽しめるレストランは大きなキティの絵で有名ですが、地上からは見えません。絵はレストランの上にあり空に向かって書かれていて、グーグルマップの航空写真でキティの絵を見るという仕掛けになっています。

グーグルマップで古代遺跡を確認してみましょう。今は漫画キングダムで有名な秦ですが、万里の長城とは別に直道という長い道を造っています。直道とは都があった甘泉宮と匈奴への防衛拠点である九原郡城を結ぶ道路で、史記によれば、中国統一をはたした始皇帝が紀元前212年に建設を始めました。いわば古代の高速道路です。幅は平均30mで全長700㎞に渡って南北に伸びていました。史記に「斬山堙谷」(山を切り開いて谷を埋めた)とあり、実際に山を切り開いた紀元前の直道跡をグーグルマップで見ることができます。

聖徳太子が斑鳩宮を造った時に飛鳥との行き来をしやすいように斜めに走る道(太子道、筋違道)を造ります。奈良は市街地化が進んでしまいましたが近鉄・田原本線の黒田駅近くに太子道が残っています。また斑鳩周辺の道をグーグルマップで注意深く見ると斜めに走る道の名残を見つけることができます。

古代遺跡の後「クロップマーク」

イギリスの田舎へ行くと麦畑が広がっていますが、麦畑のところどころに円形や楕円形の形があらわれたりします。クロップマークと呼ばれ、古代ローマ時代の遺跡の上に麦畑ができると遺跡と遺跡以外で生育度合いに差がでるため遺跡がマークのように浮き上がってきます。これが作物痕(クロップマーク)です。

昔は丘の上などから探すしか方法がありませんでしたが、今はグーグルマップの航空写真などで見つけることができます。

日本でもクロップマークから遺跡を発見

宮城県多賀城市に小字名が「内館」という場所があり城館跡と考えられていましたが発掘調査によって奈良・平安時代の集落跡、室町時代後期の館跡が発見されました。内館館と名づけられましたが航空写真を確認すると田んぼの中に、周りよりもさらに濃い緑色をした帯状のラインがいくつか確認できました。発掘してみると館を取り囲む堀跡を発見できました。

茨城県行方市では航空写真で写した畑のなかに南北約100メートル・東西約100メートルの二重正方形がクロップマークとして浮かび上がっていました。調査すると居館跡が見つかり井上長者館跡と名づけられています。

衛星写真から古代遺跡を見つける宇宙考古学

宇宙考古学を提唱しているのがアラバマ大学のサラ・パーカックで専門的な訓練を受けた科学者だけでなく、市民が地球に隠された宝石(遺跡)を見つけて守っていくべきと考えています。エジプトの王家の谷をはじめ古代遺跡は盗掘が多く、盗掘者よりも早く遺跡を見つけて保護しなければなりません。そこで人々が衛星画像から考古学的に価値のある遺跡を見つけられるオンライン・プラットフォーム「GlobalXplorer」をスタートしています。

あなたも、未知の遺跡をグーグルマップで探してみませんか。

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