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インボイス制度対応にクラウド会計導入へ

column

2021年09月15日

合同会社エムアイティエス代表 水谷哲也

10月1日からインボイス制度の登録申請がはじまります。あまり知られていないインボイス制度ですが、多くの事業者に影響があります。今まで免税事業者なら消費税を意識しなくても大丈夫でしたが、これからはそうはいきません。インボイスにあわせてクラウド会計導入を検討しましょう。

インボイス制度って何?

2019年10月に消費税が8%から10%になりましたが、この時にインボイス(適格請求書)制度導入が決定されました。インボイス制度の対象が国民でなく事業者という面もあり、増税ばかり報道されましたので、事業者にあまりインボイス制度が知られていません。

事業者は消費者から受け取った消費税から仕入れで支払った消費税を差し引いて税務署へ消費税をおさめます。2023年10月からインボイス制度がスタートすると仕入れ時に受け取った請求書に登録番号の記載が必要です。記載されていないと消費税の差し引きができなくなります。

登録番号とはインボイス制度の登録申請をすると附番される番号で、法人の場合は「T+法人番号」、個人事業の場合は「T+13桁の番号」になります。この登録申請が2021年10月からはじまります。

インボイス制度に登録申請しないとダメなの?

個人客を相手にしている食堂や免税事業者に販売やサービスを提供しているのであれば登録する必要はありません。問題なのは取引先に課税事業者がいる場合です。取引先にすると同じ仕事を提供できる課税事業者と免税事業者がいれば消費税の引き落としができる課税事業者に発注することになります。つまり免税事業者は仕事が切られます。

例えば建設業の一人親方は仕事をもらっている工務店が免税事業者でも大元の発注元がゼネコンなら、工務店ともども課税事業者になる必要があります。商工会議所などからセミナー受注している士業も同様です。また個人客が中心なら問題ないですが法人関係の宴会が多い居酒屋や個人タクシーも検討せざるをえません。

クラウド会計を導入しましょう

課税事業者になれば消費税の計算が必要です。面倒なのでクラウド会計導入を考えましょう。導入するには個人事業なら年間1万円前後、法人なら3万円前後になります。導入時期は個人事業なら1月から、法人なら期首にスタートするのがおすすめです。

クラウド会計のメリット

クラウド会計を導入すると、銀行口座から記帳データを取り込んで自動仕訳できます。例えば電力会社からの引き落としを水道光熱費で最初に登録すると、次月から電力会社の引き落としは自動で水道光熱費と仕訳されます。事業用カードを作って経費をカードで支払えばカード情報も取込できますので、仕訳は現金を取り扱った時だけになります。

クラウドですので税制改正があっても勝手にアップグレードして柔軟に対応してくれます。一番のメリットはどこでも経営状況を確認ができることです。

反対にデメリットもあります。仕訳の知識が少し必要なことと、導入にあたって残高などの初期設定が必要になります。もちろんネットが使えないとクラウド会計は使えません。

ペポルに対応できる

ペポル(Peppol)という国際的な標準規格があり、インボイス制度とあわせた導入を目指しています。現在、請求書を各社がワードやエクセルなどで発行していますが、請求書の内容をデジタルで統一する動きで、各会計ソフトで対応をすすめています。

ペポルとは適格請求書をデジタル化したもので導入されると請求書をPDFや郵送でなく電子メールにペポルの適格請求書を添付して送ることになります。おそらくクラウド会計を通してペポルをやりとりするクラウドサービスが登場するでしょう。請求書を見ながら、いちいち入力しなくても、仕訳入力から仕入税額控除計算まで自動化できるようになります。

10月からいよいよインボイス制度の登録がはじまります。もし免税事業者でしたら、どう対応するか、反対に課税事業者なら免税事業者へのアナウンスをはじめる必要があります。

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